腰痛や関節痛などの痛みで受診する患者さんが「診察を受けるので痛み止めは飲まないで来た」とおっしゃることがあります。「痛み止めを飲んでしまうと、痛みのかげんや程度がわからなくなるので、飲まないでがまんしてきた」ということなのです。
痛み止めは炎症を抑えて痛みを軽くする作用があります。時によっては痛みの大半がなくなってしまう事さえあります。だから医者が診察しても自分の痛みが伝わらなくなってしまうのではないか、と患者さんは心配されるわけです。
結論から言うと、痛みが強い時には痛み止めを飲んで受診していただいてもまったく問題はありません。診察には身体診察を問診があります。
問診には「いつからどのよう痛むのか、」「どういう風に痛むのか」といった痛みの性状に関することが聞かれます。また痛みが軽くなっても、身体診察をすれば神経痛や関節痛などそれぞれの痛みの特徴がわかります。
ですから痛みがある時はがまんしていないで、痛み止めを飲んで受診していただいても全く問題ありません。なんという薬をいつ頃飲んだらどのくらいよくなったのかという情報も診断の上ではむしろ重要です。また「痛み止めを飲んだけれど痛みがよくならない」「こういう痛み止めを飲んだら痛みが軽くなった」といったことも診断の重要な参考になります。