HOME > 病気を調べる > 整形外科一般 > 朝の痛みに軽いストレッチ【MGプレス連載- 動いて健やかに60】

整形外科の情報を発信 病気を調べる

朝の痛みに軽いストレッチ【MGプレス連載- 動いて健やかに60】

整形外科一般

「朝が痛いんです」

診察室で患者さんからよく聞く言葉です。痛い場所はさまざまですが、腰、肩、足の裏、手指が多く、朝が痛い理由はそれぞれの場所で違います。しかし体全体に共通していることは「寝ている時は、起きている時に比べて体を動かさない」ということ。人間の体は動かさないでじっとしていると、こわばってきて痛くなるようにできているのです。関節も筋肉もしばらく動かさないでいると、動かし初めに痛みを感じます。長時間デスクワークをした後、立ち上がる時に「あれ、腰が変!」と感じたことのある人は多いと思います。

寝ている間は、起きている時に比べて代謝や循環の量が減ります。循環量が落ちて、からだの水分が心臓に全部帰らず手足などにたまってしまう状態が「むくみ」。体の調子が悪いわけではないのに、ぐっすり寝て起きた時、目のまわりがむくんでいて困った経験のある人もいると思います。こんな時に鏡を見ながら顔の筋肉を動かしてみると、顔がこわばってうまく動かないように感じます。こういうむくみは顔だけではなく体全体に起こるのです。関節や筋肉、椎間板だってむくみます。もともと肩や腰が痛い人は、むくみによって痛みがより強くなります。朝の痛みの正体はこういう理由。だから朝起きて、しばらくして体のむくみがとれてくると、痛みやこわばりは少しずつよくなります。

朝の痛みを予防しようとして、寝る前に痛くなる場所をゴリゴリも揉みすぎるのはよくありません。強く揉み過ぎるとかえって筋肉にストレスを与え、筋肉にミクロの損傷ができてしまいます。そこでお勧めはストレッチ。寝る前にいつも朝痛むところを中心に、体全体の軽いストレッチをするのが効果的です。ただ、朝の痛みの中には、内臓と関係していたり、他の病気が隠れていることもありますので、心配であれば整形外科や内科を受診してみてください。

MGプレス 動いて健やかに60 
2024年11月5日掲載

→ MGプレス連載情報はこちら


一覧へ戻る