関節や筋肉の柔軟性がなくなると、体がきしんで思うように動かせなくなります。すると肩こりや腰痛などあちこちが痛くなったり、あるいは転びやすくなったりします。だから関節や筋肉をゆるめて動きやすい体を作ることは健康の第一歩で、それには日々のストレッチが欠かせません。
今日はうで腕と足のつけね、つまり肩関節と股関節の動きをよくする「深いおじぎ体操」を紹介します。まずせすじ背筋をすっと伸ばしたまま体の緊張を抜いてまっすぐに立ちます。大きく息を吸った後、ゆっくり息を吐きながらせすじ背筋と膝は伸ばしたまま肩と股関節の力を抜いておじぎをしていきます。普通のおじぎは両手をからだの横につけて上半身を前に倒していきますが、「深いおじぎ体操」は肩の関節の力を抜くので、おじぎをしていくと腕は地面に向かってぶらんとさがります。上半身と下半身が股関節で直角になっても、まだおじぎを深くしていき、指が床につくまで曲げていきます。体の硬い人なら途中で止まってしまい、床と指の間に距離ができますが、膝を伸ばしたまま腕をさげた姿勢で力を抜いて1分ほどすると、少しずつ指がつま先に近づいてきます。
この時、無理に指を床につけようとすると腰がまるまってしまうのですが、背中を伸ばして腰はまるめないように。腰はすっと伸ばしたまま、骨盤と股関節で上半身を倒していきます。このおじぎ姿勢を続けていると、太ももの裏側のすじ筋がつっぱってくるのがわかります。これが股関節と太もものストレッチで腰痛予防になります。手は指の先だけ伸ばすではなく、肩甲骨を緩めて肩からうで全体を床に向けて伸ばします。これは肩甲骨のストレッチ。肩甲骨が固いと肩こりの原因になりますから肩こり対策になります。この体操一つで手と足と胴体のストレッチになります。朝、立ったまま2分でできますので、ぜひ試してみてください。
MGプレス 動いて健やかに46
2024年3月5日掲載