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関節リウマチ 治療の進歩【MGプレス連載- 動いて健やかに58】

リウマチ・痛風

関節リウマチは、免疫に異常が起こり自分のからだを攻撃してしまう自己免疫疾患で、膠原病の一種です。膠原というのはコラーゲンの事。コラーゲンは骨や皮膚の成分であり、関節リウマチになると手足の関節が腫れたり変形したりします。患者さんの多くは整形外科を受診するため、昔の整形外科医はリウマチを勉強してリウマチ専門医資格を取る人が多かったのです。しかし最近は専門が細分化されてきたため、大きい病院では関節リウマチや膠原病を専門に診るリウマチ科や膠原病科という診療科があります。

私が医者になった三十数年前は、リウマチに劇的に効く薬というものはまだなく、手足の関節が徐々に変形してしまう患者さんもいて、変形した関節を手術するのがそのころの整形外科医の重要な役割でした。慢性化してなかなか治らないことも多く、正式な病名は「慢性関節リウマチ」でした。ところが二十数年前から治療が劇的に進歩しはじめたのです。立て続けに多くの新薬が開発され、特にバイオと呼ばれる生物学的製剤などは関節の破壊を食い止めるどころか、破壊された関節もある程度修復できるようになりました。このため整形外科医の主な任務である手術は劇的に減りました。2006年には病名から「慢性」が取り払われ「関節リウマチ」に変更されることになったのです。

医学は日進月歩といいますが、この四半世紀の関節リウマチの治療の進歩は、まさに目を見張るものがありました。だからといって、現在、関節リウマチのすべてが治せるようになったわけではありません。そもそも関節リウマチの原因も「これだ」というものがいまだに確定していないのです。しかしきっとこれからも、世界中の研究者から次々と研究の成果がもたらされ、さらに多くの患者さんが救われることになることを、長年リウマチ診療に携わってきたひとりとしてこころから期待しています。

MGプレス 動いて健やかに58
2024年10月1日掲載

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