骨盤はからだの土台になる重要なところ。骨盤から頭に向かって背骨が上に伸び、また骨盤から下に出る2本の足でしっかりと立つことができるのです。よく「骨盤が傾いている」とか「骨盤がゆがんでいる」ということがありますが、この骨盤の傾きはとても重要で、傾きの異常は腰痛や肩こりの原因になります。
まず立ってみて、自分の体を横向きに鏡に映してみましょう。骨盤は内臓を入れるお椀のようなもの。このお椀は横から見ると前に傾いており、お椀の中に水があるとしたら、からだの前側にこぼれる感じになっています。このお椀の傾きが減って平らになるのが骨盤後傾(こうけい)といい、丸まった腰になります。ソファにからだをあずけて座る姿勢がこの骨盤後傾で、デスクワークの時、背もたれを使うとやはり骨盤は後傾します。過度の骨盤後傾は腰痛を引き起こします。背もたれを使わず、へそを前に突き出して椅子に座ると骨盤はいい傾きになります。骨盤が前に傾くのを前傾(ぜんけい)といいますが、前傾が強すぎても反り腰やでっ尻(ちり)の姿勢になり、やはり腰に負担がかかります。
座禅を組むようにあぐらをかいて座ってみてください。力を抜くと骨盤は後ろに傾き腰が丸くなります。今度はおへそを前に突き出して、肛門をぎゅっと締める気持ちになってみます。すると骨盤はいい位置になります。この姿勢のまま、ゆっくり息を吐いて少し止め、今度はゆっくり息を吸っていきます。その間も骨盤を意識して、お椀がいい傾きになるようにしてみてください。骨盤がいい傾きになると腰は弓のように反ってきます。すると腰から背中、首までがきれいな曲線になります。骨盤の正しい傾きを意識して、きれいな姿勢でシャキッと立ったり座ったり、というような動作をすることは、腰痛や肩こりの治療になるだけでなく、気持ちを整える効果もあるのでぜひ試してみてください。
MGプレス 動いて健やかに57
2024年9月17日掲載