ひざは漢字で膝と書き、「しつ」とも読みます。膝関節を「しつかんせつ」という人がいます。しかし専門用語はわかりやすくということでしょうか、整形外科の医者は普通「ひざかんせつ」と言い、「しつかんせつ」という整形外科医は最近ほとんどいません。
変形性膝(ひざ)関節症は、文字通り膝関節がすりへって変形する病気。病気といっても、年齢とともに誰にでも起こる加齢現象で個人差があります。膝や股関節のような関節は体重がかかる荷重関節なので、肩や肘の関節に比べてすり減りやすいのです。特に膝関節はもっともすり減る関節で、中年を過ぎるころからわずかずつ軟骨が薄くなってきます。
変形性膝関節症になると、立ち上がりや歩き初めに痛みが出てきます。最初のうちは、あぐらをかいたり、からだの向きを変えるためにちょっと足をひねると痛みが走ることがあります。すりへりが進行してくると、膝がしっかり曲がらなくなってきます。無理に曲げると痛みが出るので、正座や和式トイレのしゃがみ込みができなくなります。膝を伸ばしても痛みがあり、座ってまっすぐに膝を伸ばそうとすると膝の裏と床にすきまができてしまいます。
膝のお皿の骨を膝蓋骨といいます。膝蓋骨はどの骨とも直接つながっていない宙に浮いた骨で、上下左右の筋肉で固定されています。膝がすり減るとこの筋肉が硬くなり、膝の曲がりがさらに悪くなります。そこで重要なのはお皿を動かすこと。まず膝を伸ばして床に座り、お皿を親指と人差指でしっかりつかみます。次にお皿の骨を左右にゆっくり動かしていきます。膝の関節がすり減っている人ほどお皿が硬く固定されてあまり動きません。慌てないでゆっくりお皿の骨を左右に揺する感じで10回、次は上下にも10回動かしてみてください。この運動をした後に膝を曲げてみると、膝の曲がりがよくなっているはずです。
MGプレス 動いて健やかに51
2024年6月4日掲載