日本の疾患別死亡率は1位から順に、がん、心疾患、老衰、脳血管疾患、肺炎であり、特にがん、心疾患、脳血管疾患は3大死亡原因といわれています。このうちの脳血管疾患と心疾患の共通点は血管の故障。脳の血管に問題があれば脳出血や脳梗塞、心臓ならば心筋梗塞や狭心症になります。
血管というホースが詰まったり裂けたりすると血液は目的地まで到達しません。また血液自体が固まったりよどんだりしてもホースの中で詰まってしまいます。このようなことを予防するには、血管の劣化を防止して、中を流れる血液が必要以上に固まりやすくなるのを防ぐことが重要です。
ではどのようにすればいいのでしょうか。このコラムでもたびたび、健康な体を維持するには食事と運動が大切と書いてきました。血管の健康維持にもバランスの良い食事と適度な運動が大切なのです。
まずは食事から。塩分の取りすぎは高血圧をおこし、高血圧が続くと血管をいためます。また脂質の過剰摂取は動脈硬化を引き起こし血管の劣化リスクになります。これらの取りすぎに注意して、魚類や野菜をメニューに取り入れてください。
食事にもまして重要なのは運動です。適度な運動は血圧を下げ、血管の老化を防ぎます。運動をすると筋肉に血液を送るために心臓の働きが高まり、より多くの血液がホースの中を流れます。ホースの中を血液がしっかり流れているイメージをしてみてください。一日に30分は適度な運動をすることが大切。少し速足のウォーキングや室内でのストレッチや筋トレがおすすめです。ただし心不全や脳動脈瘤などには、過度な運動をしてはいけない場合があるため、必ず医師の診断を受けて、どの程度の運動をしていいかどうか相談してからはじめてください。また、朝起きたばかりの時など、長時間水分を摂っていないと脱水状態で血液が濃くなっていて固まりやすくなっています。必ず充分な水分を摂ってから運動をはじめましょう。
MGプレス 動いて健やかに19
2022年8月23日掲載