けがをした覚えもないのにある朝、歩き初めに足うらが痛くて、オヤッと思ったことがある人は案外いると思います。土踏まずや踵、足の指のつけねが痛くなることもあります。足の裏は歩くときに必ず地面につくので、痛くなると困ります。
足底筋膜炎という足裏の腱鞘炎では土踏まずに痛みがでます。モートン病という病気は足指にシビレと痛みがあり、強剛母趾(きょうごうぼし)は親指のつけねが痛くなります。踵に骨のとげができる踵骨棘(しょうこつきょく)では踵をつく時に痛みます。扁平足や外反母趾も足裏の痛みの原因になります。治療には炎症をとるお薬を使ったり注射を打つことがあります。またインソールという靴の底に敷く中敷きを作ったり、あるいは足の形を整える手術をすることもあります。
しかし治療の第一歩は足にも運動をさせること。ふだんは意識して足指の運動をすることはあまりないと思います。そこで今日は足の運動を二つ紹介します。まず一つ目は足指グーチョキパー運動といって、足の指でジャンケンをするようにグーチョキパーを作ってみる運動です。手のようにうまく作れないのは当然、作る気になればいいのです。二つ目はタオルギャザー運動。椅子に腰かけ、床にタオルを縦に一枚敷き、足の指を使ってそのタオルを引き寄せていきます。これらの運動は足指の動かす筋肉が鍛えられ、足裏のカーブもよくなり外反母趾や扁平足にも効果があります。足を動かす神経は脳とつながっていますので認知症予防にも。ネットで検索すればたくさんのやり方が出てきますので、ぜひ試してみてください。
ふだんあまり意識しない自分の足ですが、歩けるのはこの足のおかげです。風呂上りに自分の足をみてください。どこか骨が出っ張ってきていないか、変形していないか、かかとの皮膚が硬くなっていないかなどを点検してみましょう。心配なことがあれば整形外科を受診してみてください。
MGプレス 動いて健やかに32
2023年6月27日掲載