以前、坐骨神経痛についてお話ししました。神経痛はからだのどこにでもおこります。今回は首からうでにかけての神経痛の話。首の神経痛では、寝違えや肩こりのような症状の他に、二の腕や手指にジーンとしびれが出てきます。また首を傾けたり、上を向くと肩甲骨や背中にズキーンと痛みが走る場合もあります。首には自律神経痛が集中しているため頭痛やめまいが出てきたり、気持ちがふさいでやる気がなくなったり、怒りっぽくなったりメンタルに不調をきたしてしまいます。
首から出た神経は肩を通って手にいきます。首にも腰と同じように椎間板があり、首の椎間板ヘルニアになると手にいく神経を圧迫します。また加齢によって変形した首の骨が神経にさわることがあります。これらの神経痛は首にある神経の「根っこ」が痛みの原因なので神経(しんけい)根症(こんしょう)といいます。首から出た神経が鎖骨の出口で圧迫されると同じような症状になり胸郭出口症候群と呼ばれます。
神経痛の治療にはいろいろな注射や薬がありますが、自分でできることとして運動があります。適度な運動は神経痛に効果的です。「年のせいだから」とあきらめないことと焦らないことが大切。ゆっくり肩と首を動かして、筋肉の緊張を和らげ血行を良くします。痛くて動かさないと筋肉はやせて血行が悪くなり、痛み物質がたまってしまいます。「治ってから動かす」のではなく「動かして治す」。
力任せにゴリゴリ人にもんでもらうのではなく「自分で動かす」ことが大切。
実は私も数年前にこのような神経痛になったのですが、運動をしながら数か月かかって治しました。ただし病気によっては無理な運動は神経をよけいにいためてしまうことがあります。必ず医者に診てもらって原因をはっきりさせて、どのような運動が良いか相談してからにしてください。運動に注射や薬を上手に組み合わせることによって、がんこな神経痛もよくなることがあります。
MGプレス 動いて健やかに26
2023年2月28日掲載