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「歩くこと」が最良の薬に(MGプレス 動いて健やかに10)

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「歩くことは人間にとって最良の薬である」これは古代ギリシアの医聖ヒポクラテスの名言。ウォーキングは最も手軽で効果のある健康法です。歩くことによって筋肉の増強、心肺機能の向上、血管の老化防止、認知症や寝たきりの予防、そして健康寿命の延伸など多くの体に良いことが起こります。ウォーキングで筋肉を使うと、筋肉からマイオカインというホルモンが分泌されます。このマイオカインが体のさまざまな機能によいことがわかってきました。

松本市の広報誌「広報まつもと」の今年の9月号に「5つの生活習慣でがんリスクが低下」という記事が掲載されていました。

その生活習慣とは

  • ①禁煙する
  • ②節酒する
  • ③身体を動かす
  • ④食生活を見直す
  • ⑤適正体重を維持する

の5つ。

これらの生活習慣はがんのリスクだけでなく健康のためにも重要な5項目です。この5項目を端的にまとめると「健康にとって食事と運動が大事」ということになります。

では、どんな運動がいいのでしょうか。「一人ではできない」とか「誰かほかの人とどこかに集まって一緒にやらなければいけない」というのでは面倒です。それと「お金がかかる」というのもいただけません。いくらからだによくても、これらの条件があるとずいぶん制約が多くなってしまうのです。

一人でできて、しかもお金がかからない。この条件を満たす最も良い運動がウォーキングです。これから寒くなってきます。風邪をひかないようにしっかり防寒具を着て、歩きやすいかっこうでまずは15分間、少しはや足で歩いてみてください。天気の悪い日は家の中での体操がお勧めです。スクワットや下肢の挙上運動は場所をとらずに気軽にできます。10分でよいのでまずははじめてみてください。どんな運動がいいかを考えている時間があったら、とりあえずからだを動かしてみましょう。ウォーキングが最良の薬であることを二千年以上前に見抜いたヒポクラテスの慧眼には驚くばかりです。

(MGプレス 動いて健やかに10 2021年12月7日掲載)

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