「同じ量を食べているのに、なんで自分だけ体重が増えるの?」こんな悩みを抱えている人は多いと思います。人間にとってエネルギーを得るのが食事、使うのが運動。運動不足でエネルギーがあまると、脂肪となってからだに貯まり肥満になります。ここまではみんなが知っていることですが、エネルギーは運動だけではなく「生きている」だけでも使われているのです。
三年寝太郎(さんねんねたろう)は、寝てばかりの怠け者が人々のために用水路を作る有名な昔話。この三年寝太郎のごろごろ寝ている状態でも消費される、生きていくのに必要最低限のエネルギーを基礎代謝といいます。これに対してからだを動かす時のエネルギーは身体活動量。つまりひとが使うエネルギーは「基礎代謝+身体活動量」なのです。運動をすれば身体活動量が増えてエネルギーが使われます。一方、基礎代謝を増やせば三年寝太郎の生活でもエネルギーが消費されます。ではどうすれは基礎代謝が増えるのでしょうか。普通の生活をしている場合、基礎代謝は身体活動量の約2倍です。寝ているだけも心臓や胃腸、肺、脳は絶えず働いていて、けっこうエネルギーを使っているのです。特に筋肉は動いていないときでも、ただあるだけでたくさんのエネルギーが必要なのです。運動する人は筋肉が増えて、三年寝太郎のようにしている時もエネルギーが使われます。逆に運動をしない人は筋肉が少なくなり、動かないでいるときはエネルギーが使われず脂肪になり体重が増えてしまうのです。
運動してエネルギーを使うから、というだけではなく、運動によって増えた筋肉が運動をしていないときもエネルギーをしっかり使ってくれるのです。「生きてるだけで丸もうけ」というのは明石家さんまさんがよく口にする名台詞ですが、いったんしっかりした筋肉を作ってしまえば、生きてるだけでエネルギーが消費されるのです。
MGプレス 動いて健やかに45
2024年2月20日掲載