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腰椎分離症 -青少年期の腰のスポーツ障害-

腰と坐骨神経痛, スポーツ整形外科

スポーツで多い腰痛

中学生、高校生のスポーツ選手によくみられるのが腰痛です。
腰痛をおこす原因はいくつかありますが、10歳台に多いのが腰椎分離症です。腰椎の一部にひびのようなものがはいるのです。
そう聞くと、びっくりしてしまうかもしれませんが、この病気は意外に多くスポーツをしている中高生の2割程度にみられるという調査もあるほどです。

腰椎分離症の原因

分離症は大きなけがをしておこるのではありません。特に原因がなくてもスポーツをしている間に徐々にできてくるのです。
また生まれつき分離症に近い形の腰椎のひともいます。痛くなる前は、ほとんどの患者さんが腰のレントゲンを撮ったことがないため、いつできたかというのは、はっきりわからないことが多いのです。
スポーツをしていて徐々に分離してくることから「腰椎の疲労骨折」の一種ともいわれています。

症 状

最初のころはスポーツをすると痛いけれど、日常の生活ではあまり痛くないこともあります。
腰をそらしたり、逆に前かがみになると痛みがでることがあります。腰骨の一番下、第5腰椎におこることが最も多いのが特徴です。
いたむ場所は比較的低い位置の腰部です。腰椎椎間板ヘルニアとちがって足のしびれや痛みをきたすことはほとんどありません。

診 断

はっきりした分離症はレントゲンで分かります。普通のレントゲンの撮り方ではわからなくても、特殊な方向から撮影(斜めからの撮影で「斜位」といいます)で分離しているところがわかることがあります。

ごくわずかな分離はレントゲンではわからないことが多く、この場合はCTやMRIを撮ります。するとレントゲンで分からなかった分離症が判明することがあります。

治療法

多くは腹筋背筋の筋トレや背中、ふともものストレッチを行うことで徐々に痛みがとれ、スポーツに復帰できます。分離が高度である場合は一定の期間、分離症用のコルセットをつけます。

分離症は適切に治療すれば必ずよくなります。成長期が終わるころには痛くなくなることがほとんどです。
ただし、診断をしっかりつけず適切な治療をしないと、痛みが慢性化したり、腰から出る坐骨神経を刺激して太ももやふくらはぎの痛みがでてくることもあります。まず診断をしっかり行うことがとても重要です。


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