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ひざの半月板損傷

下肢

原 因

ひざの関節には、上の骨(大腿骨)と下の骨(脛骨)の間に半月板(はんげつばん)がはさまっていて、クッションの役目をしています。この半月板が割れたり、いたんでくると膝の痛みが出てきます。年齢によって原因にはいろいろなものがあります。

1)小児に多いのが「円板状半月」という状態です。半月板は「三日月」の形をしていますが、これが生まれつき「満月」の形になっていて、これが原因で痛みが出ます。

2)若い年齢に多いのが「半月板断裂」といって、スポーツなどの外傷で半月板が割れてしまう状態です。半月板は一度キズが入ると基本的には元通りになりません。ここが皮膚や骨と違う点です。関節の軟骨に問題はないのですが、いたんだ半月板によってひざが痛くなったり水がたまったります。

3)中年以降に多いが「半月板変性」といわれる状態です。40~50代のころから、ひざの関節はすり減りがはじまります。すりへりが徐々に進むと半月板がバサバサしてきて痛みが出たり、膝がひっかかったり、立ち上がる時に痛みを感じたります。

症 状

半月板に異常があると、ひざの痛みが出てきます。曲げ伸ばしするときや階段を上る時、しゃがみ込むとき、立ち上がる時に、ズキッといたむことがあります。膝に水がたまって晴れてくることもあります。断裂した半月板が関節の中で動いてひっかかってしまうとひざが一定の角度で伸びなくなってしまいます。これをロッキングといいます。

診 断

半月板はレントゲンでは映りません。膝の痛みや腫れなど、関節の間に圧痛などの特徴的な症状によって診断します。どのようにいたんでいるか、どこがわれているかをしっかり診断するにはMRIが必要です。

MRIで半月板がはっきりわかってきます。逆にレントゲンだけで「半月板損傷」と診断された場合、確定診断とはいえませんので、半月板は大丈夫だったということもあります。

治 療

急性期の痛みには関節注射や薬による治療がよく効きます。
ひざをしっかり伸ばすことができなくなるロッキングは、半月板に注射をしたり、ゆっくり整復していくことによって伸ばすことができます。

スポーツのたびに痛みが出てしまって充分なパフォーマンスができなくなるようなら、まずしっかり診断をすることがもっとも重要です。そして治療法を検討します。
中年以降のなる変性断裂では、軽度の変形性膝関節症を合併していることがあり、ヒアルロン酸や炎症をとる注射によって、かなりよくなります。

断裂がはっきりしていれば、関節鏡という内視鏡による手術が効果的なことがあります。半月板を糸で縫ったり、いたんだ部分を切除すると痛みはなくなります。

適切な診断と治療により半月板損傷はよくなります。運動をあきらめる必要もありません。


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