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変形性頚椎症

くびと肩

原 因

くびは7つの骨が並んでできています。この7つの骨を頚椎といい、これが首の運動を可能にしています。40歳をすぎるころから頚椎は徐々に変形をしてきます。これを変形性頚椎症といいます。頚椎が変形してくる原因は、はっきりしたものはわかっていませんが、それまでの生活様式や体質などが考えられています。

基本的には加齢による変形ですから、程度の差こそあれすべての人にみられる変化です。しかし中にはこの変形性頚椎症によってさまざまな症状が出てくる人がいます。

症 状

変形性頚椎症になるといろいろな症状が出てきますが、大きく3つにわけられます。

1) 首の痛みや肩こりです。上を向くのが大変になり、目薬をさしたり、うがいをするのが難しくなることもあります。これは変形性頚椎症そのものの症状です
2) 変形した頚椎が上肢(手)に行く神経にさわると、肩から手にかけてびりびりしたしびれを感じ、痛みになるときもあります。首からの神経痛です。これを頚椎症性神経根症といいます
3) 脳から腰までの脊髄の入っている管を頚部脊柱管といいますが、これが狭くなると足に行く神経が障害され、歩きにくくなったり転びやすくなります。これを頚髄症といいます。

診断

首の痛みは動きの悪さ、上肢のシビレなどがある場合は頸椎のレントゲンを撮ります。レントゲンで頚椎症性変化といわれる所見が見られると変形性頚椎症と診断します。頚椎症性変化には骨のトゲ(骨棘)ができたり、椎間板が狭くなったり、全体的に頸椎がごつごつした感じになります。頸椎のしなやかさが失われ前のめりにまっすぐになるとストレートネックといわれます。

必要に応じてMRIを撮ることもあります。

治 療

変形性頚椎症によるくびの痛みには運動療法が効果的です。肩の上げ下げし運動や、腕のぶん回し運動も効果的です。ゆっくり呼吸をしながら首をそらせて上を向いていく頸椎ストレッチも首の痛みを軽くします。

人にマッサージしてもらうよりも「自分で動かす」ことが大切です。ただし手のしびれがあるような時は気をつけてください。首をそらすと手にシビレが出てくるようなら医師の診察を受けて、やっていい運動を検討することが大切です。

消炎鎮痛薬や筋弛緩薬、神経障害性疼痛治療薬などのくすりは痛みに効果的であり、神経や炎症を根本的に治す面もあり医学的にも推奨されています。「痛み止めは体に悪い」と決めつけてがまんしていると、首まわりの血流が悪くなり筋肉が硬くなって症状を悪化させることがあります。くすりは医師と相談して効果的に短期間使うと「痛みだけに効くのではなく」病気そのものにとてもよく効きます。

そのほかにブロック療法や物理療法などさまざまな治療法があります。


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