痛くなる場所
膝の関節と足首のあいだ、いわゆるスネの部分を医学的には「下腿」といいます。
下腿の前では骨を触ります。これは脛骨といわれる骨です。蹴られたり、ものが当たったりするととても痛みがでるところで「弁慶の泣き所」とか「むこうずね」と呼ばれます。
この下腿の内側の骨を触るところが主に痛くなるところです。特に真ん中よりやや足首に近いところに痛みがでます。
この痛みがでる病気を「シンスプリント」といいます。
どんな人が痛くなるか
中学生や高校生のスポーツ選手のスネが痛くなります。陸上や、サッカー、バスケットなど走ったりジャンプしたりすることが多い競技でよく起こります。
脛骨のまわりの炎症であり「過労性骨膜炎」とも呼ばれます。走ったり跳び上がると痛みが生じますが、初期では運動時に痛くなくても運動後に痛みが出てくることがあります。
進行すると走るたび、一歩一歩で痛みが強くなります。また、これと似た症状を出すものに疲労骨折があります。こちらは脛骨自体に繰り返しストレスが加えられたことにより微細なヒビが生じます。
このふたつをしっかり診断することが重要です。
このためレントゲンを撮ったり、時にはエコーやＭＲＩなどの検査が必要になる場合もあります。
原因
足の筋肉や腱に反復して刺激が加わることにより炎症が生じるのが原因です。
足首の柔軟性が低下していると炎症は生じやすく、足首の関節のかたい人でおこりやすくなります。また扁平足の人もシンスプリントの痛みが出やすいです。
環境要因としては、硬すぎるグランドや体育館の床が原因となることもあります。あるいはクッションの性能がよくないシューズが影響していることもあります。
治療
スポーツを休まずに治療してよくなれば、それに越したことはありません。しかし痛みがとても強いときは、しばらく様子をみながらケアしていくことがとても大切です。
痛みを感じながら無理に運動を続けることはけっしてよくありません。
運動後のアイシングやクーリングダウンが重要です。ふくらはぎや足首、膝のストレッチも有効です。